



HSPの持つ4つの資質の一つに「Depth of processing」物事に対して、深く、多面的に考えるという資質があります。ビジネスにおいて必要な能力です。複雑系と言われている世の中では、単一的な考え方では問題が解決しないからです。また、多様性、個の時代と言われており、価値観も多様化しています。深く多面的に考える力は組織で働くだけでなく、世の中でも必要とされている力です。

一方で、何事も深く多面的に考えるため、色々思いついてしまって時間がかかる。調べごとをすると深堀してしまいまとまらない。といった悩み事になることもあります。
その結果、周囲からは仕事が遅いといった悪い評価につながることもあります。
時間がかかるということだけに目を向けると悪いことのように感じますが、一旦深く考えることで次に同じ状況になった場合に早く的確な対応ができることにもつながります。

ビジネスの現場では、質だけでなくスピードも大切です。時には、満足がいく質にならなくても間に合わせることを優先しなければならない場合もあります。自分自身の行動が遅くなってしまう。仕事が遅くなってしまう時には、次の4つのことを意識してみてください。

対処法1. 自分の状態を意識する

無意識だから対処できない
「気にしすぎ」「そんなに気にしなくていいよ」といわれてしまうことはないでしょうか。私たちには、傷つく言葉ですね。ただ、そういわれても「気になる」を止めることは難しいと思います。なぜならば、無意識にやってしまっているからです。

自分を観察してみる
しかし、そういった気質があるということがわかれば、それを意識することができます。まずは、自分が「気になるループ」にはまっているかどうか。そこを意識することが大切です。時々、自分を観察してみてください。
そして、色々なことが気になって進まなくなっていると感じたなら「あっ。気になるループにはまってるな」そんな感じで独り言を言ってみてください。
意識ができれば、対処できます。
意識ができたら、次の2つの方法で対応してみてください。
対処法2.時間を決める。

もし、深堀が始まったり、色々気になることが止まらなくなったら、終わりを決めることで対処しましょう。
例えば、資料を作っていたらわからないことが出てきてしまった。それをネット等で調べ始める、そうしたらさらに疑問が出てきて・・。これもあれもと止まらなくなることありますよね。
そんな自分に気づいても。すぐにやめる必要はありません。
「自分であと15分だけ調べて結論が出なかったら、それ以上調べるのをやめよう」というかんじで時間を決めてみてください。
時間を決めることで、気になるループから抜け出せるようになります。
対処法3.本来の目的を確認する

深く多角的に考える気質があることで、優先順序をつけるのが苦手な傾向にあります。
しかし、仕事上で行う時には、優先順序があります。
例えば、完璧な状態にすることより、試してみて磨き上げていく方がよかったり、自分が気になることよりも依頼者の期待に応えることが大切であったり、その場その場で何を優先するのかを見極めていくことが大切です。

色々なことが気になってしまい、時間がかかっているなと感じたときは
「本来、これは何のためにしているんだった」「何が大切なのか」
「どこに力を入れるべきか」
ということをもう一度考えてみましょう。
もし、人から依頼された仕事であれば、改めて依頼者に目的や優先順序を確認してみるというプロセスも有効です。
優先順序が決まれば、「これで良いのかな」「もっとこうした方が良いかな」といった
迷いもなくなります。