愚痴ばかり聞いていたら、なんだか自分がネガティブな気持ちになってきた。悲しい話を聞いていたら、なんだか自分も悲しくなてきた。あるいは、なんか、気が重いなぁ。と思ったら最近人の悪口やネガティブな言葉ばかり聞いていた。といった経験もあるのではないでしょうか。

環境感受性の高い人は、さほど強烈ではないネガティブな話しや強い怒りの感情ではなくても、相手の気持ちを敏感に感じ取ってしまい、それを受け流せず深く思考してしまう傾向があります。

それゆえ、周囲の人の気分、気持ちに影響されやすくなります。

そして、時には、他の誰かの感情と自分の感情の区別がつかなくなってしまうということも起こることもあります。人の苦しみであるにもかかわらず。自分事として苦しみを感じてしまうということです。

自分と他を分ける境界線があいまいな性質を心理学では「過剰同調性」と言います。

これは必ずしも悪いことではありません。相手と同じように感情を感じることで相手は「自分を理解してくれている」と感じ、とても話しやすくなります。

それは相手にとって癒しとなり、関係性は良くなるでしょう。また、ネガティブなことだけに影響を受けるわけではなく、ポジティブなことにも同じように影響を受けます。

嬉しそうにしている人をみて、ただそれだけで幸せな気分になってきた。そんな経験があるのではないでしょうか。相手や周囲の人の感情に影響されることはメリットでもあります。


しかし、それゆえ、相手や周囲の感情に振り回されてしまい、それが強いストレスになるということも起こるわけです。これもまた、無意識にやってしまうことなので、100%無くすことはできません。

また、メリットもあるのですからなくす必要もありません。大きなストレスにならないように対処していきましょう。

対処法1 今の自分の状況に問題がある?

人の感情に影響されることは、前述したように必ずしも悪いことではありません。良い感情から良い影響を受けることもあるからです。


しかし、悪い影響を受ければそもそも自分自身に問題はなくうまくいっていたとしても、うまくいっていないような感覚になり、ペースも乱れてしまうでしょう。


「今、俺(私)何か問題あるんだっけ」と自分の状況を確認してみてください。

自分に問題があるのではなく、周囲のネガティブな影響をうけていることが意識できればそれだけでも気持ちが落ち着きます。

対処法2 人と自分を切り離す

自分に問題があるわけではないとわかったら「人は人」「自分は自分」と独り言で自分と他人を切り離してください。

自分の問題ではないと分かっていても影響を受けてしまう傾向があります。完全に切り離すことは難しいことですが、「自分は自分」と独り言を言うことで距離を置けるようになります。

対処法3 何とかするのをやめる

叱責されたり、ネガティブな気持ちになっている人がいれば、「何とかしなくては」という気持ちになってしまうこともあるでしょう。

もちろん、常にあなたが何かをしなければならないわけではありません。フォローしたりすることは悪いことではありませんが、常にしなければならないわけではありません。自分に集中するということも心がけるようにしていきましょう。

自分のことに集中すると言われると、自分のことだけを考えているみたいに感じるかもしれません。

しかし、大丈夫です。そもそも環境感受性の低い人に比べれば、少々自分勝手に思うくらいのことでも十分周囲を考えた対応になっているはずです。