



授業や講座の中で問題を解いたり考えたりしているとき、先生が近くにいて自分の様子を見られている。あるいは、仕事をしているとき、すぐそばで仕事をしているのを見られている。
そんなとき、「自分のやり方あってるのかな」「こんなんでよいのかな」「間違っていることをしてきされたら・・」と考えてしまって、なんだか緊張してしまうということはないでしょうか。

また、競争させられているわけではないけれど、同僚が褒められているのを見て、焦る気持ちや自分がダメに感じてしまうこともあるのではないでしょうか。
環境感受性は音や匂いなど物理的な環境だけに影響を受けるわけではありません。心理社会的なことにも影響されます。
周囲の空気を読む、考えや期待を無意識に受け取ってしまうのは、物理的な環境だけに影響されるのではなく、心理社会的なことに影響されているということです。

そのことによりペースが乱れ、通常のパフォーマンスが発揮できなくなる。HSP・繊細さんにありがちな自己肯定感が低く完璧主義の傾向があればその傾向は強くなります。
環境感受性が強いという資質だけで起こることではなく、自己肯定感が低く自信が持てないことも強く影響しています。思い浮かべる多くのことは、自分自身の想像であり、小さなことをネガティブに変換してしまい、よりペースが乱れてしまいます。
これは「人の期待に応えなくては」「もっと、良くしなければ」という気持ちがあるからこそ起こることでもあります。必ずしも悪いことではありません。
しかし、人と比べられることや監視されることで強くストレスを感じてあきらめてしまったり、さらに自信を無くしてしまうという悪循環に陥いらないようにすることが大切です。そのための対処法をお伝えします。

対処法1 自分の想像でしかない

「心配事が現実化するのは5%」という研究があります。ペンシルバニア大学のボルコヴェックらの研究です。その研究によると、心配事の79パーセントは実際には起こらず、しかも、残りの21パーセントのうち、16パーセントの出来事は、事前に準備をしていれば対処が可能なことだったのだそうです。その結果から、「心配事が現実化するのは5%」と結論付けています。

人の監視や競争にさらされる際にネガティブなことや、不安を感じる自体は悪いことではありません。
前述のように「人の期待に応えなくては」「もっと良くしなくては」といった気持ちがあるからです。
しかし、環境感受性が高いからといって、HSPが何でも人の考えていることをわかるわけではありません。まずは、今考えていることが自分の想像でしかないということを認識しましょう。
不安な気持ちが浮かんだら「そうかもしれない。でも、多分そうじゃない」とつぶやいてみましょう
対処法2 自分の一部でしかない

競争・監視されて緊張してしまうのは良い結果を望んでいるからです。
そして、悪い結果が出たときに自分がどれだけ恥ずかしく嫌な思いをするかがわかっているからです。それは悪いことではありません。
しかし、それは他人の評価を気にして生きているということでもあります。

人にはそれぞれ、得手不得手があります。ある競争で負けたとしても、ある部分を指摘されたとしても、それがすべてではありません。
競争させられるのも、監視され指摘されるのも、その部分について評価されただけです。冷静に考えれば、ひどく緊張する必要も、ひどく凹む必要もありません。とはいっても、すぐにはそう考えられないかもしれません。
「良い結果を望んでいるんだな」「何があっても、それは自分の一部でしかない」と自分自身でつぶやいてみてください。